ハリケーン(熱帯低気圧)だった「ヘクター」が台風17号になりました。
これは3年ぶりの「越境台風」だそう。
ところで、「越境台風」とは何でしょうか?そもそも「熱帯低気圧」や「台風」とは何でしょう?
過去の越境台風の進路と日本での被害状況を確認しました。
越境台風とは?
越境台風とは、日本の気象庁の管轄外で発生したハリケーンなどの熱帯低気圧が、日付変更線を越えて台風になったものです。
では、「熱帯低気圧」と「台風」はどのように違うのでしょう?
熱帯低気圧とは?
「熱帯低気圧」とは、熱帯の海上で発生する低気圧のこと。
「台風」、「ハリケーン」、「サイクロン」は、強い熱帯低気圧の一種。
位置する海域によって、名前が異なります。
引用元:WikiPedia
では、台風とはどんなものでしょうか?
台風とは?
下の2つの条件を両方とも満たすものが「台風」です。
- 北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在する
- 低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上ある
インド洋あたりで発生した台風が日本の方にくることはなく、日本地図を中心に見たとき、東から西にある日本に向かってきます。
今回の台風17号「ヘクター」もメキシコのあたりで発生して、日本の東側から近づいてきました。
メキシコ付近で発生しハワイを通過してきた元ハリケーンの熱帯低気圧「ヘクター」が、衰えながら日付変更線を超えたので、台風17号になりました
越境台風の場合は、番号は新たに振られますが、名前は元々名付けられた「ヘクター」がそのまま使われます
8月これで5個目の台風発生です pic.twitter.com/G1hEYYfrfz— ていぞう (@teizoh) 2018年8月13日
台風の寿命は通常7日弱ですが、ヘクターは発生から14日ほど経過しています。
史上3番目の越境大夫であるとともに、長寿台風になりそうです。
過去に越境台風が発生したときの被害状況
過去には2回、越境台風が発生したことがあります。
それはいつ頃でしょうか?
その越境台風はどのような進路を進んで、日本にはどんな影響があったのか確認しましょう。
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1997年9月台風19号
初の越境台風は、1997年9月の台風19号でした。
台風19号は、強い勢いを保ったまま九州の南海上に長い間、停滞した後、1997年9月16日に鹿児島県枕崎市付近に上陸しました。
宮崎県えびの市では、16日の日降水量が688mm。
鹿児島県枕崎では最大瞬間風速49.0m/sを記録しました。
九州の南海上をゆっくり進んだため、大雨と強風による天気の荒れが続き、九州で大きな被害が出ました。
1997年9月台風19号による被害
1997年9月台風19号による被害は、次のとおりです。
死者:10名
負傷者:26名
住家全壊:35棟
住宅半壊:39棟
床上浸水:4,010棟
床下浸水:13,535棟
引用元:WikiPedia
2つ目の越境台風はいつ発生したのでしょうか?
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2015年7月台風12号
引用元:WikiPedia
7月台風12号(ハロラ)は、ハワイ諸島南西で発生。
上の進路を進んで、25日未明に沖縄県の南大東島に接近、2015年7月26日19時頃に長崎県佐世保に上陸しました。
7月25日2時の時点で、台風の中心気圧 965hPa、中心付近の最大風速35m/s、最大瞬間風速50m/s。
25日に鹿児島県伊仙町伊仙で1時間に114.5 ミリの猛烈な雨を降らせました。
7月24日0時から27日7時までの期間降水量は、次のとおりでした。
- 徳之島の伊仙町 444.0ミリ
- 沖縄県の国頭村奥 251.5ミリ
- 秋田県の仙北市角館 209.5ミリ
- 岩手県の西和賀町沢内 209.5ミリ
- 秋田県の藤里町 207.0ミリ
2015年7月台風12号による被害
2015年7月台風12号による被害は、次のとおりです。
25日に秋田県大仙市で雄物川水系の斉内川の堤防が決壊、塙川が氾濫しました。
27日8時の時点で負傷者2名、住宅の一部破損1棟、床上・床下浸水32棟など。
ただ、一部の地域の被害は確認できておらず、上の数字に含まれません。
鹿児島県徳之島町では、27日10時の時点で床上浸水11棟、床下浸水78棟が確認されていました。
越境台風は、過去にも大雨、大風をもたらしたのですね。
7月の大雨のような被害が出ないことを祈ります。
今後の台風の情報をチェックしながら、備蓄、避難場所の確認などを進めておきたいですね。