第159回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が発表されました。
北条裕子(ほうじょう ゆうこ)「美しい顔」はどんなあらすじの作品なのでしょうか?
感想や評判を調べてみました。
【芥川賞・直木賞】第159回芥川龍之介賞候補作品決定!(平成30年上半期)
古谷田奈月「風下の朱」
高橋弘希「送り火」
北条裕子「美しい顔」
町屋良平「しき」
松尾スズキ「もう「はい」としか言えない」選考会は平成30年7月18日(水)午後5時より築地・新喜楽にて。https://t.co/fbfucosMad
— 文芸速報 (@bun_soku) 2018年6月17日
北条裕子「美しい顔」のあらすじは?
【文学】芥川賞・直木賞候補を発表…7月18日選考、松尾スズキや湊かなえ、北条裕子などが候補に https://t.co/ztqmGfoMZY まとめまとめ pic.twitter.com/NnQwIp5OZW
— Asterisk⭐News💫相互フォロー (@populus1q3) 2018年6月17日
北条裕子「美しい顔」は2018年群像6月号に掲載されていて、第61回群像新人文学賞を受賞しているのですね。
十七歳の私と幼い弟を残して母は行方知れずになった。マスコミの取材に協力するうち、私の内側で何かが変わっていく。未曾有の災厄に襲われた人間はどのように一歩を踏み出すのか――。選考委員激賞の驚異のデビュー作。北条裕子「美しい顔」
と紹介されています。
舞台は、東日本大震災後の被災地。
主人公の17歳の女の子は5年前に父を亡くしており、母と音信不通になってしまっている。
東京から支援やマスコミがやってきて、被災した女の子としてふるまう主人公。
内側に怒りなどの黒い感情を抱えていたところ、顔だけが美しい女性と出会い…
母の死体を見るという体験を経て、喪失の克服へ。
北条裕子『美しい顔』(群像2018.6月号 群像新人賞受賞作)
東日本大震災により避難所で幼い弟と暮らしつつ、母の安否に心砕く高校生の独り語りで進む物語。被災者としてマスコミの望む対応への演技を獲得したり、やがて顔だけが美しい人と会う。隣家だったおばさんの言葉!心が震える凄い作品です。 pic.twitter.com/G35AGXkU5y— Red (@7Hame2008) 2018年6月9日
『美しい顔』を読んだ方の感想は?
群像新人文学賞受賞作、北条裕子『美しい顔』読んだ。ひるんだ。災害を直截的に描けば悲劇になるのではと本作の主題とのパラドックスがちらりとよぎったけど、被災者から1ミリも目を逸らさない気迫にひるんだ。高台から津波に飲まれる人を見るシーンは体がふるえた。震災文学の代表作になると思う。 pic.twitter.com/7d3TnLSXeE
— 三星 円 (@mihoshi_m) 2018年6月17日
西日本新聞の文芸時評は、次のように始まります。
「選考委員激賞」とあるのを横目で見つつ、どれどれお手並み拝見といった気分で読み始めて、すぐさま瞠目(どうもく)した。そのまま熱に浮かされるようにして一気に読み終えてしまった。これはちょっと相当に凄(すご)い小説である。力作と書いたが、まさに言葉に宿る「力」が尋常ではない。
「一気に読み終えた」というのは、引き込まれてしまったということですよね。
面白かった、その先の展開が気になるというような感覚でしょうか。
しかも「ちょっと相当に凄い」とも書かれています。
「凄い」というのは、きっと想像以上の何かがあるということ。
どんな風に予想を裏切られるのか、何だか読んでみたくなりますね。
北条裕子さんは東京の方で、被災地に行ったことはないそう。
にもかかわらず、こんな風に人を引き込んでしまうとは。
北条裕子氏 『美しい顔』読了。
こんなに読んでて胸が苦しい作品は
初めて。読み始めたらどんどん惹き込まれる。
憤りの熱量が半端ない。
一気読みは出来ない。
辛すぎてやめようと思いながらも
読みたいと思わせる作品。
作者の熱量に引っ張られる感覚。
経験してないのに、ここまで
かけるとは。 pic.twitter.com/VlyrFETEd5— 🍋Leon (@chihiroleon) 2018年6月9日
群像6月号の『美しい顔』北条裕子
この何年か渦巻いていた東京で被った拘泥を心地よい揺れによって落としてくれた。卵の殻を剥くようにというのか、どこかつるんとした卵肌のお顔。ほんのり暖かい体温をもつ綺麗な卵を身体の奥に感じる。傑作。
— 水希一美 (@WC_LOVE_RM) 2018年6月17日
北条裕子さんの「美しい顔」群像6月号、読むことと呼吸が一体化して、実体を得た濃密な言葉の奔流が体内を駆け巡り侵食されていく感覚。胸の奥の奥のかたいかさぶたまで到達して剥がされてしまった。痛い、赤い。感染と知性。書くこと、読むことの恐ろしさをあらためて思う。小説を超えたなにものか。
— 福田尚代 (@fukudanaoyo) 2018年6月16日
同号で取り上げた今月の作品は本当に多かったのですが、圧倒的だったのは、北条裕子「美しい顔」(群像)。まちがいなく、このあとしっかりした評論が出て来るだろうし、ポスト震災の文学を論じていく際には外せない作品として、今後広く長く参照されることになるでしょう。文学研究者として断言します
— 日比嘉高 (@yshibi) 2018年6月14日
坂口氏はどう評したかが気になったが、「美しい顔」、僕も今読み終えたところで、やや興奮覚めやらぬ。評判は耳にしてたのだけど、想像をはるかにこえてきた。(ただし素材が素材だけに一般化するつもりはない)
文体や熱量への抗いがたい魅力 北条裕子「美しい顔」坂口周 https://t.co/fdTQrvuDlp
— 中沢忠之 (@sz6) 2018年6月13日
北条裕子さんご本人の受賞の言葉が公開されていました。
憤りを北条裕子さんも抱えていたとのこと。
北条裕子さんと近いところで震災を経験した私も、憤りに共感するところがあります。
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まとめ
申し訳ありません。芥川賞候補は北条裕子さんの「美しい顔」(群像6月号)のみ品切しております。手配済みですので近日中に入荷致します。他の芥川賞候補、直木賞候補は揃っております。 pic.twitter.com/gd178arA3G
— くまざわ書店南千住店 (@ash1208kmzw) 2018年6月17日
『美しい顔』が掲載されている群像6月号は、品切れしている書店もあるよう。
Amazonでも品切れでした。注目されていますね。
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